経営とは、組織として成果を出すことです。つまり、CEOの仕事は、営業、設計・製造、財務、R&Dなど様々な組織機能を一つに纏め上げて、最高の業績を達成することであるのは明確です。それこそ、部分を一個の全体に纏め上げるという、ホリスティック・アプローチです。
続きを読む【ブログVol.109】業界の常識にとらわれる

崩れつつある常識
どこの業界にも、(本当にベストか?は別にして)そこ独自の「ベストプラクティス」があって、その分野にいる皆が信じる一連のパラダイム全体を共有しています。その結果、激しさを増す競合との同じ顧客の奪い合いで消耗して、業績が頭打ちになり徐々に低下する悲惨な状況に嵌まるのです。
このように、飛躍的な業績の伸びが一切なしに、毎日現状維持の戦いをしているのが、大半の組織の現実です。そのため、これができる精一杯だと思って、かなり小さな利益で我慢するか、多少の損は許してしまうのです。そういう会社は、まあまあ安定した状態には残れても、それより良い未来は望めません。
続きを読む【ブログVol.98】最も難しい経営スキルを養う
マネージャー皆に不可欠な本当に重要なスキルが1つありますが、その要件を満たすレベルのスキルを持った人はほとんどいません。人を率いて定めた目標を達成する、あるいは、事業開発その他戦略上の課題に重点的に取り組む、または、製品の独自の価値を市場に発信するマネージャーは皆、自分以外の人が見ている現実を理解しないといけません。
続きを読む【ブログVol.97】医療における共通の対立とその深刻な結果
生と死、そしてお金を扱う上での共通の難しい対立があり、医療機関の経営は非常に困難です。対立で感情が激しくかき乱されて、オープンで筋の通った議論がほとんどできなくなるほどです。そういう状態では事態が悪化するばかりです。
ゴールドラット博士は、経営者とマネージャーは、複雑性、不確実性、対立という3つの重大な恐怖に支配されていると言いました。マネージャーと経営者(指導者)は、結局この領域への対処能力で評価されるのです。
続きを読む【ブログVol.93】そもそも、組織経営という人文科学の分野で、何故、ゴールドラット博士が真の天才になれたのか?
優秀な人はたくさんいます。それに対して、実務ができる指導者はごく少数で、ほとんどは優秀で頭脳明晰ではありませんが、ゴールを達成するとなればカリスマ的で有能です。有能な指導者は、自分の選んだゴールの達成を優秀な人々が助けたくなるように、うまく取り計らいます。
天才はまた別です。その人は、ずっと先の将来まで見通して、人類により良い新たな世界をもたらす、既存の考え方や慣習に必要な変化を示す人物です。その遠くまで見通した広いビジョンは、考え方の変化は問わない一過性のソリューションしか探そうとしない普通に優秀な人々と真の天才を分ける特質です。
続きを読む【ブログVol.90】新技術に対する6つの質問をオンラインストアに当てはめたらどうなるか
Amazonは小売りに大きな変化をもたらし、大きな小売チェーンは皆それを感じとっています。それは小売チェーンを完全には淘汰できなくても、オンラインで購入できるのは破壊的テクノロジーです。問題は、経済的に存続可能な状態を維持するために、現在の小売店は一体どういう風に変わるかです。通常の店舗は、商品や顧客にオンラインストアでは満たせない付加価値を提供するのを重視しないといけません。それは、特定の顧客セグメントに喜ばれる人的なサービスと独自の味を提供して、大きな店に囲まれながらもうまく生き伸びている小さな店に似ています。
続きを読む【ブログVol.63】経営の科学と芸術、理論と実践
経営者たちには根本に理論の軽視があります。経営は実践に他ならず、厳しい状況に直面したら理論は助けにならないというのが、彼らの一般的な見方です。経営における芸術とは、他人に見えないものが見えることです。理論は、誰でも学べますが、他人より遠くを見通せる並外れた力を得る助けにはなりません。
続きを読む【ブログVol.55】どうやって市場にTOCの価値を売り込むかの方向性の議論
前回の記事に活発な意見を頂いて、我々が既に成してきたことを多くの人々がもっと改善したいと望んでいるのを知って、私は楽観的になりました。
私は、最初の方向性としてある一つの構想を大雑把に示すつもりです。また、ブログの意見交換に加えてメールもやり取りするKevin Kohls氏の解決策と似てはいるが別の考え方を盛込みます。
Leo Lauramaa氏は「TOCは万人のもの」という隠れた仮定に異論を示しました。ここでは、その仮定は正しいと信じる(論理的に証明できないとき、私は「信じる」という言葉を使う)とだけ言わせてください。 TOCは、論理と良識ある観察に基づく合理的なツールを用いますが、感情や直感も大事にしています。私はTOCを包括的な経営手法だと理解しているので、リーンやアジャイルのように、十分大きな価値を生む他の方法論まで手を広げ、それらを分析してどういう場合にそれが有効で、どこを正すべきか判断したらよいと思います。私は、中規模以上の会社のマネージャーなら、理性的に議論できる能力があるはぜです。
続きを読む【ブログVol.54】市場にTOCの価値を売り込む
TOCが最高の経営手法であるなら、なぜ我々はそれを売り込むのに苦労するのか?
これはTOCに熱心な人々すべての最も普通の疑問だと私は思います。これは包括的な手法の潜在的な弱点を突いた現実のひとつではないでしょうか。私は、TOC陣営の外にいる人々だけでなく、ゴールドラット博士本人を含む沢山の人々から、何度もその説明を聞きました。現状のTOCの重大な好ましくない結果(UDE:Undesirable Effects)を挙げると次のようになります:
- TOCでは、今だに、故ゴールドラット博士が、唯一のリーダーで教祖であり、非常に有名で影響力の大きな人物である。
- TOCは多くの考え方を敵にし過ぎる。
- TOCが何なのか合意された定義は何も無い。
- 世に現れて長い時間が経ったにしては、TOCの評価は低い。
- 広範囲のTOCに満足しているように見える人々はほんの少数しかいない。
- TOCは、ゴールドラット博士が開発した多くの示唆に富むコンセプトを含むが、それら全体に渡る明確な一貫性を欠いており、それ全体をインプリメントする効果的な方法が見当たらない。
【ブログVol.53】組織におけるコンサルタントの日々の役割り
「我々がこの先遭遇する未知の問題を具体的に挙げてもらえないかね」
コンサルタントはそう冷やかされても仕方がない。経営コンサルタントは、組織の管理階層に属さないので、組織内の駆け引きでは外野です。しかも、コンサルタントは一切責任を負わず、マネージャーの実務経験者も本の稀にしかいません。
経営コンサルタントにはタイプが2つあります。第一のタイプは、自分の役割りはファシリテーターだと思っていて、人々が彼ら自身の考えを述べるよう動機づけて、それを周囲に巧く伝えられるようファシリテートするのを仕事にしている人たちです。そういうコンサルタントは、どんな問題であれ自分の考えを述べるのを敬遠します。私はここでこの種のコンサルタントに言及するつもりはありません。
続きを読む【ブログVol.46】リーダーとそれに従う者

長沙の毛沢東の記念碑は、彼の最も有名な詩「長沙」を詠んだとされるところに立っている。
リーダーシップは常に肯定的なものなのか?
オーナーと取締役会にとって、上席のマネージャーの任命は、重要だが「情に流され易い」悩ましい意思決定のひとつです。その人は真の「リーダーシップ」を発揮できるのか? 天性のリーダーが真に良いマネージャーの必要条件なのか? 私には、そういう点について皆さんとオープンに議論したい疑問があります。
続きを読む【ブログVol.29】重要な意思決定に対するTOCの支援(DSTOC)
私は、人は自分では自分の作品の価値を証明できないという、ユダヤの古い格言を知っています。確かにそうですが、とても忙しい人々が貴重な時間を割いて、ほとんどすべてのビジネスにとって重要だと私が勝手に思っている話しを聞きに来て、演習を体験して、それについて議論してくれるのには、なぜか大いに興味をそそられてしまいます。
話しの内容についてはこのURLを見てください: http://tinyurl.com/p25dtat(訳注:https://www.youtube.com/watch?v=uv-90Nv3Ybk)
【ブログVol.28】自分の昇進を阻む障害を取り除く
【ブログVol.11】コストを配賦すべきか、しないべきか - それが問題?
論点を明確にするための中継ぎの投稿
重要な意思決定にTとIおよびOEを使う シリーズ第1.5部
前回はキャパシティのコストは線形ではなく連続でもないと言いました。しかし、特定のキャパシティの消費を特定の製品に関連付ける直接的な手段がない場合があまりに多すぎる事実は述べませんでした。その問題に対する原価計算の救済策は、製品の単位原価を計算する際、製品1単位に直接割り振れないキャパシティのコストを、直接労務のようなかなり恣意的なパラメータをベースにして配賦するというものです。
競技場のコストは、チケットの枚数や試合の結果に基づいて配分しないといけないのだろうか?
続きを読む【ブログVol.6】個人と組織の間の厄介な関係 – 第1部
「私をどう評価するか教えてもらえたら、私がどう振る舞うか教えましょう。」
この有名な引用文は、個人と組織の対立の本質を述べています。ゴールドラット博士によると、人はどう評価されるかに従って振る舞うものですが、その評価方法は必ずしも組織にとって利益になっていないのです。
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