【ブログVol.11】コストを配賦すべきか、しないべきか - それが問題?

2016年2月22日
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論点を明確にするための中継ぎの投稿

重要な意思決定にTとIおよびOEを使う  シリーズ第1.5部

前回はキャパシティのコストは線形ではなく連続でもないと言いました。しかし、特定のキャパシティの消費を特定の製品に関連付ける直接的な手段がない場合があまりに多すぎる事実は述べませんでした。その問題に対する原価計算の救済策は、製品の単位原価を計算する際、製品1単位に直接割り振れないキャパシティのコストを、直接労務のようなかなり恣意的なパラメータをベースにして配賦するというものです。

Berlin, Germany - April 17, 2013: View of an empty Berlin's Olympia Stadium built for the 1936 Summer Olympics.

競技場のコストは、チケットの枚数や試合の結果に基づいて配分しないといけないのだろうか?

活動基準原価計算(ABC:Activity-Based-Costing)は、その点に関して従来のやり方に異議を唱えました。ABCでは、キャパシティが使われる都度、なんとしても「コストドライバー」に関連づけようとします。割り振るドライバーは、製品1単位どころか、新規の顧客や注文でもよいのです。そのどこが悪いんでしょう?

他の原価計算方式も同じですが、ABCの本質的な間違いは、特定のキャパシティの消費に対して平均のコストをそれらコストドライバーに割り付けることです。そうすると、キャパシティとコストの関係が非線形なので、ABCの管理情報が大きく歪むのです。そのために、あるコストドライバーはキャパシティが沢山余っているのに高くなりすぎて悪い印象を与える一方、別のコストドライバーは非常に希少なキャパシティを使う(しかも追加の費用が非常に高くつく)のにその事実が隠れて良い印象を与えて、間違った経営判断に導くのです。

しかし、キャパシティを使うたびに一定のコストが発生するという思い込みを捨てるよう組織を納得させるには、当然それに代わる正しい判断方法を確立しなければなりません。そのためには、新しい販売機会や新しいアイデアが最終損益を改善するのかしないのか確認する良い方法が必要です。また、キャパシティを買い増す方が利益になるのか、今ある余力の一部を使って賄う方が良いのか、それも判断できる優れた方法が欲しいのです。私は今後の記事でこの問題の解決策を必ず示します。

しかし、たとえTOCのロジックを使うにしても、ある一定のコストを配賦しないといけないことは時にはあります!

たとえば、あなたの会社が別の会社と共同で、オフィスのフロア全体をリース契約しているとしましょう。その理由は、所有者がフロアの一部だけリースするのを拒否したからです。空間はひとつのリソースであり、利用可能なキャパシティの限界はその総面積です。家賃負担の配分に関する相手の会社との合意がどんなものにしろ、おそらく他のキャパシティ(清掃、通信回線)の使用もいくらか含まれていて、それらの配分は本質的に恣意的で、何らかのスペース(明らかにロビーやエレベータは共有している)の割り振りがベースになっているはずです。

私は、直接的計算ができなくても十分使える解決法として、コスト配分の例をもっと取り上げるつもりです。

 


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著者: エリ・シュラーゲンハイム
飽くなき挑戦心こそが私の人生をより興味深いものにしてくれます。私は組織が不確実性を無視しているのを見ると心配でたまりませんし、またそのようなリーダーに盲目的に従っている人々を理解することができません。

この記事の原文: To allocate or not to allocate – is this the question?

全ての記事: http://japan-toc-association.org/blog/

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