【ブログVol.25】「変えるべきか変えざるべきか?」 ― 決断までの一連の思考を展開する

既存の考え方に逆らって本当に大丈夫?

プライベートブランドは低価格を売りにするものだと皆思っています。ですから、通常の価格より高い値段でプライベートブランドの商品を売るのは直感に反しているしリスクがあります。非常に限られたスペースと狭い駐車場しかない環境で現在GoodChoiceが相手にしている市場セグメントには、GoodChoiceの安い価格が不可欠な顧客が多いのです。その制限から、GoodChoiceは顧客によく合う品を絞り込んで売らざるを得ないのです。顧客の多くは「試し買い」するほどお金に余裕がないので、商品一つ一つが十分良い品質でなければなりません。私には、そう高価なプライベートブランドを発売するのは、そういう状況では賢明な考え方ではないように見えます。差別化がすべてうまくいくとは限らないのです。

少なくとも、価値の高い商品しかプライベートブランドとして売らない決意を強調するのは、効果的で必須です。そうすれば比較的小さな値引きでプライベートブランドの商品を販売できます。問題は、どうやって高い品質を担保するかです。所詮、どの品も慎重に検査されており素晴らしい品質が証明されていると言うだけなら簡単です。店長からそう言われて、あなたは信じます?

この例題へのコメントの中でRajeev Athavale氏は、誰かを特定できないサプライヤーが商品を生産するのであれば、高い品質を安定して維持するのは困難だと述べています。私は、その点を除けば、彼の分析の大部分に同意します。GoodChoiceは、サプライヤーの顧客として仕入れる品物の品質を監視できるし、自分の顧客からの返品は、優れた品質を保つようサプライヤーに圧力をかけるのに使えるのは明らかです。

開封した商品の返品を認める方針にすると、払い戻しがそう沢山になるのだろうか?

私はそう多くの人が続けて払い戻しを要求してこないだろうと思いますが、それは確認すべき問題です。払い戻しはすべて登録して、顧客が商品への不満を申告し署名しなければならないようにすれば、2回同じ商品を返品する顧客は、それ相応の説明をしなければなりません。

ですから、GoodChoiceにとっての推奨の手順は、プライベートブランドの投入を進めますが、価格は有名ブランドの定価より適度に下げて、返品自由という裏付けのある品質保証を付けることです。

他にGoodChoiceに出来ることはありませんか?

実は、GoodChoiceは商品すべてに優れた品質を提供したい。

どの商品が顧客の期待を裏切り、どの商品が本当に顧客に歓迎されているかを知るのは確かに重要です。商品の価値をコントロールする通常の方法は、売上の推移をきっちり監視することです。しかし、皮肉なことに、早いペースの新商品投入と頻度の高いプロモーションのせいで、市場に対して機敏に反応するには、その分析があまりに遅くなり過ぎています。

そのようなスーパーマーケットチェーンが、顧客から迅速かつ信頼性の高いフィードバックをもらうには、一体どうすればよいのか?

苦情や返品は、不出来な製品(そして、欠陥のあるプロセス)を見つける方法のひとつです。しかし、顧客は長い質問に答えるのは嫌だし、本当に思っていることをいつも出すとは限りません。

最近私は英国航空からひとつのアイデアを学びました。私は、優れたサービスの証として英国航空の従業員に顧客が与えることができる「ゴールデンチケット」を、素晴らしいサービスをした従業員に渡そうと思っていました。

私は、そのアイデアをGoodChoice用に「翻訳」することを提案したい。それは、実は、ある特定の商品を顧客が好むか好まないか詳しく知りたがっている、すべてのスーパーマーケットに当てまるはずです。

具体的にいえば」、ゴールド商品チケットとレッド商品チケットを発行します。店に入る客は皆ゴールドチケットとレッドチケットを1枚ずつ渡されます。客はチケットそれぞれただ一つの商品の名前を書くことができます。ゴールドチケットは優れた商品を意味し、レッドチケットは悪い商品を意味します。チケットに記入したい顧客は、記入したチケットをレジの箱に入れます。

どう思いますか? この種の高速なフィードバックなら、うまくいくと思いませんか?


著者:エリ・シュラーゲンハイム
飽くなき挑戦心こそが私の人生をより興味深いものにしてくれます。私は組織が不確実性を無視しているのを見ると心配でたまりませんし、またそのようなリーダーに盲目的に従っている人々を理解することができません。

この記事の原文: “To Change or not to Change” – Developing a Long Line of Thoughts

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