【ブログVol.14】共同の意思決定プロセス

2016年2月24日
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重要な意思決定にTとIおよびOEを使う  シリーズ第3部

Closeup of business people shaking hands over a deal

前回の記事では、正しい決定には直感に基づく判断材料が必要不可欠であることを示しました。ですから、どんなにしっかりした意思決定の仕組みであれ、問題に対して最も直感の利く人々の関与が絶対に必要です。

しかしそれでもまだ十分ではありません。さらに直感的な判断材料を様々考慮に入れて、目下の意思決定の影響をより広範にチェックする必要があるのです。そのチェックは、根拠のあるロジックに基づくものでなければならず、直感をコントロールするメカニズムであると同時により広い視野で考えられるようにするという、2つの役割を果たさなければなりません。

経営トップが部下を会議に招集して、決めたい議題を示し、参加者に一人ずつ順に意見を述べさせるという、よく知られた経営慣行があります。最終的には、経営トップが自分の意見を述べて、それが決定になります。

その慣習は、経営陣に自分の意見と直感を述べる機会を皆に保証してくれますが、不可欠な要素がひとつ欠けています。それは、出た対案それぞれの影響全体を論理的に分析することです!

どの会社でも頻繁にしなければならない、非常に基本的な意思決定のいくらかは、製品ミックスとキャパシティに関するものです。仮に次のような議案を検討しているとしましょう:

現在、同社は、同じ基本的な製品を含んだ2つのチョコレート・パッケージを販売している。提案されたアイデアは、製品1個当たりの単価を安く抑えた、非常に大きなパッケージを販売するというものである。

この決定に関して下記の判断材料を得るには営業の直感が必要です:

  • 新しいパッケージの悲観的と楽観的な売上はどれくらいか?
  • 既存の2つのパッケージの売上への影響はどのくらいか?
    • 他のパッケージ製品の売上も減少するのはかなり確かだが、その金額はどれくらいか?
  • 上記の製品と何かしら似た他の製品は売上が減少するか?

直感による上記の情報と簡単な計算から、悲観的と楽観的なシナリオ両方に従った総スループット(T)への影響の範囲が分かります。

もう一つ解消しないといけない問題があります:

売上の増加、特に楽観的な見積もりに沿った売上の増加に耐えられる十分なキャパシティがあるか?

上記のスループット(T)や業務費用(OE)の計算は、キャパシティが不足したリソースが一つでもあれば無効になってしまいます。この「キャパシティの不足」という言葉は、平均として十分なキャパシティがあったとしても、ある特定の時点でキャパシティが不足して市場の要求を満たせない場合も考えに入れてあることは知っておいてください。私たちは、納期の信頼性(納期遵守率)を「十分に良い」状態に維持するために絶対必要な余剰能力の大きさを「保護能力(Protective Capacity)」と呼んでいます。ですから、保護能力を食い込むとダメージが生じるということです。

では、どのくらいの保護能力が必要なのか?

結局、この答えを見積もるには、生産現場のキーパーソンの直感が必要です。残念ながら、保護能力の正しい大きさを決めるTOCの公式はありません。

しかし、予測の需要によるクリティカルなリソースへの負荷は簡単に計算できます。

新しいパッケージを投入するとしない両方の場合の総スループット(T)の計算は、キャパシティが十分あれば経営が何より欲しい援護になります。

保護能力を失ったリソースが一つでもあれば、経営陣は素早くキャパシティを増やせる方法を検討するか、(おそらく値上げで)売上を減らしてよい製品を探さなければなりません。ここでも、解決策が実現可能かどうか見極めるには、営業と生産現場の直感が必要です。

この意思決定の方法においては、楽観的な評価では大きく利益が伸びると予測される一方で、悲観的なシナリオでは損失がでると予測される場合もあり得ます。比較的小さい損失が出るよりも、非常に大きな利益が得られる可能性がずっと高いなら、新しいアイデアを認めるのが正しい判断でしょう。しかし、もう一つチェックすべきことがあります。小さな損失が蓄積して組織が危うくなるかもしれません。ですから、最新のキャッシュ・フローの状況と財務マンの直感をこの共同の意思決定プロセス(Mutual decision-making process)に含めなければなりません。

上記の共同の意思決定プロセスは経営に必須です。こういうプロセスでは、正当かつ必要な判断材料として幹部や現場のキーパーソンの直感を使わなければなりません。そうすることで、データ解析や論理的分析が、経営陣を正しい意思決定に導くのに役立つのです。

 


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著者: エリ・シュラーゲンハイム
飽くなき挑戦心こそが私の人生をより興味深いものにしてくれます。私は組織が不確実性を無視しているのを見ると心配でたまりませんし、またそのようなリーダーに盲目的に従っている人々を理解することができません。

この記事の原文: Mutual decision-making process

全ての記事: http://japan-toc-association.org/blog/

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