【ブログVol.34】壮大な技術的アイデアの失敗 第1部

2016年3月24日
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私は、一つの出来事から正しい有益な教訓を学びとるというテーマのワークショップで、そのプロセスを実証するためにこの架空の事例を使っています。この話を読んではときどき止まって、あなたならどうするか、また、あまり派手な失敗をしないことにどう関わるのか、学ぶべき正しい教訓を学ぶことから何が得られるのか、あなた自身に問いかけながら読んで欲しい。これはその事例の第1部で、一週間以内に続きの第2部を投稿するつもりです。

学習のトリガーとそのプロセスの始まり

TopSecurity社は、次の大きな目玉にしようと、陸軍、空軍、警察とシークレットサービスから200人を招いたWise-Camerasの大々的な試験を企画しました。しかしそれは大失敗に終わったのでした。TopSecurity社のCEO、Samuel Fuller は、苦労して同社を50億ドルの巨大企業にまで育て上げてきました。彼は3人の調査チームを任命して、Wise-Camerasに極めて高度な技術を組込んだにも関わらず、よく訓練された5人のテストグループがTop Security社のビルに侵入するのを検知できなかったという、恥ずべき出来事を調査させしました。

その調査チームは、セキュリティ・チェックのマネージャーGilbertが率いました。セキュリティ・チェック部門は、様々なセキュリティ製品の機能性と有効性を検査する独立した組織です。彼らはTopSecurity 本社への侵入を試みるよう指示されていました。彼らの成功はTopSecurity社で最大の失敗でした。調査チームのメンバーには、TopSecurity とはまったく取引関係のないソフトウェア会社ThoughtWareの優秀なCEO、Lindaがいました。そして3人目のメンバーは組織コンサルタントのJacobでした。

Wise-Camerasの開発プロジェクトは3年前に開始され2年で終わるはずでした。実現したかったことは、警備対象の建物に接近しようとするすべての試みを防犯カメラで自動認識することでした。怪しい侵入者の識別は自動かつ高い確度で行えるはずでした。しかも、侵入しようとする人々の正確な人数を認識し、侵入者がマスクをしていても識別できるように、侵入者の特徴、特に目と目の間の距離を記録するはずでした。

試験がうまくいかなかったのは、5人の侵入者が地面を転がって建物に近づくことで、システムを出し抜いたからでした。

Samが不意を付かれたのは間違いなかった。TopSecurity社への経済的、運営上の影響はすぐに認識されました。プロジェクトの実際のコストは約5百万ドルでしたが、将来見込まれる収益は1年当たり1億ドル近かったのです!

一度限りの経験から教訓を学ぶチームに、プロジェクトチームから一人も入れないのは正しい判断なのだろうか?

当然ながら、このようなプロジェクトに参加した人なら誰しも、失敗に繋がった誤った行動や判断を隠そうとするものです。誰であれ、どんな些細な失敗であれ、非難されたくありません。

しかし何のために学ぶのでしょう? 誰かの罪を突き止めることですか、それとも、おそらく多くの人々に共通する誤ったパラダイムを見つけ出して、それらを改めることですか?

組織コンサルタントのJacobは、誰も責める意図はないというメッセージを伝えるために、プロジェクトチームの誰かを追加で参加させることを提案しました。さらにLindaは、何が起きたかの知識と直感のある少なくとも2人が欲しいと付け加えました。そうして、チーフプロジェクトエンジニアのAlexと、プロジェクトで動作認識を担当しているソフトウェアの専門家Marthaがチームに参加することになりました。

今や5人からなる新チームは、最初の問題を一緒に解決しようと集まりました。その問題は次のとおりです:

事前の期待と実際の結果の間のギャップ(乖離)を言葉にすること

彼らはこの問題は最初思ったより難しいことにすぐ気付きました。そして、実際には以下の2つの異なるギャップがあることが分かったのです:

1番目のギャップ:

事前の期待: 見込み客である大事なゲストたちは、Wise-Camerasの性能に驚くほど良い印象を持つだろう。

実際の結果: システムはもちろん、信頼性が高い革新的なサプライヤーとして知られるTopSecurity社の評判の悪化と評価の低下に繋がる、大きな失望。

2番目のギャップ:

事前の期待: 警備対象の建物への最も高度な新入法でもシステムは検知できる。

実際の結果: システムは巧妙なテストチームにまんまと騙された。

1番目のギャップはイベントの企画に焦点を当てたものです。ここで考えられる教訓は、そういうショーの前にリハーサルをするとか、開発者とテストチームで緊密なコミュニケーションを取ることが可能だっただろうことです。

では、2番目のギャップは、一体なぜ3年間のプロジェクトは効果的な製品を実現できなかったのかという疑問に焦点を当てたものでしょうか?

リーダーのGilbertはAlexに次の単刀直入な質問をしました:

失敗の原因は、すぐに修正できるようなちょっとした技術的問題だったのか?

アレックス: 「仕様上、犬のような動物の非常に偶発的な動きで誤って警報を出さないことという、非常に困難なことが求められていました。つまり、間違った警報は絶対に許されません! ですので、私たちは建物に近づくあらゆる人間は2本足で歩くものと仮定しました。画像認識アルゴリズムはその仮定に基づいたものでした。」

この発言からすると、2番目のギャップは現実に実在したことは明らかでした。それで、2番目のギャップに対しては、プロジェクトの技術的目標達成の失敗に繋がった原因は何なのかより深く理解することの大切さを知ることと、そういう失敗を2度と起きないようにすること、その2点が指摘されました。

ここで知っておくべき大事なことは、同じチームに両方のギャップを調査させるのは、集中力を低下させるし、その影響で価値ある有益な教訓を学べるチャンスが低くなるということです。

ここで皆さんに質問です: 次のステップでは何をすべきですか? もっと多くの情報と分析が必要ですか? もしそうなら、必要な情報で足りないものは何ですか?

 


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著者: エリ・シュラーゲンハイム
飽くなき挑戦心こそが私の人生をより興味深いものにしてくれます。私は組織が不確実性を無視しているのを見ると心配でたまりませんし、またそのようなリーダーに盲目的に従っている人々を理解することができません。

この記事の原文: The failure of a grand technological idea – part 1

全ての記事: http://japan-toc-association.org/blog/

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