議論・楽しい学びのための謎解き・フィクション
個人の戦略を扱った以前の記事から - 今回の事例研究はそれと強く関係しています!
CompAdvantage社の最高経営責任者(CEO)Daleは、自分は次のグローバル・マーケティング&セールス担当の上級副社長に君を推すつもりだとClaudioに言いました。現担当上級副社長のFritは3ヶ月で引退する予定で、CompAdvantage社のC級経営幹部全員を集めた会議を2カ月以内に開いて、Fritの後任を取締役会に推薦することになっています。Fritは、Claudioをかなり高く評価している一方、彼の部門の成果をすべて自分の手柄にしていることに難色を示しています。Claudioは、Fritが自分の後任にMarthaを推そうとしているとにらんでいます。Marthaは、この3年間で東ヨーロッパ市場への参入に成功したことで、最近大きく信用を取り戻してきています。Marthaが主張して進めていた最大のライバルPeachSales社との長い法廷闘争が大敗北して莫大な費用の浪費に終わったという、彼女の失敗がその成功で希薄化しつつあるのです。
Claudioは、この5年間、ラテンアメリカ・マーケティング&セールス担当副社長の任にありました。ラテンアメリカは、まだCompAdvantag社で最も収益性の高い市場ですが、他の2つの大きな市場は着実に成長しています。Marthaが率いる東ヨーロッパとAbrahamが率いる北米です。MarthaとAbrahamは両方とも、ポストを争うClaudioのライバルです。興味深いのは、Abrahamが自分の代理として3年間Marthaを指導していたことです。しかし、Abrahamは現在62歳で、ClaudioとMarthaの間の妥協点として考慮に入っていない限り、そのポストを得る可能性は低い。その妥協の可能性はClaudioが阻止したい脅威です。しかし、彼はどうすればその選択の確率を低くできるのだろうか?
Claudioは、その重要な会議に参加する上級副社長全員をリストに並べました。そして、Claudioは、ラテンアメリカの業務を担当していたとき密接にサポートした現在グローバル・ロジスティック担当上級副社長のBradを含めて、自分の立候補を支持すると確信できる者をチェックしました。グローバル・デザインディベロップメント担当上級副社長のLindaもおそらく支持してくれるだろう。彼女はMarthaとは関係が良くないし、無謀なマネージャーだと言ってMarthaを公然と批判しています。一方、CompAdvantageの全子会社を統括する上級副社長の Henryは確実にMarthaを支持する。いずれにしても、まだClaudioには誰を選ぶか定かではない上級副社長が6人います。
Claudioは思った、「問題は、・・・今どうしたら自分の地位を固められるのだろう? そして、どうしたら私に対する反対論の影響を和らげられるだろうか? ということだ。」
CompAdvantageという巨大な組織でもClaudioが暴君なのはよく知られています。彼の下にいる管理者は皆、自分の成果に彼が満足していないのではないかと、いつも恐れています。彼以外の副社長でも、部下の管理者をやる気にさせて懸命に働かせる効果的な方法だと信じ、その管理スタイルを高く評価している者もいます。その他は、そういう管理スタイルは、部下の管理者の主体性を抑えさせ、自身の管理スキルを伸ばすのを制限すると主張しています。
実を言えば、Claudioはこれまで非常にうまく彼の広大な管轄を率いてきました。その成功は、CompAdvantage全体の財務状態にハッキリと表れています。
質問1:もしあなたがCompAdvantageの将来の成功のために一生懸命な上級副社長だったら、3人の候補者から一人選ぶための決定的な判断基準はどんなものにしますか?
質問2:短期間に自分の勝機を高めるためにClaudioは何ができるでしょうか?
著者:エリ・シュラーゲンハイム
飽くなき挑戦心こそが私の人生をより興味深いものにしてくれます。私は組織が不確実性を無視しているのを見ると心配でたまりませんし、またそのようなリーダーに盲目的に従っている人々を理解することができません。